個人的に使用するためにコピーすることは「私的使用のための複製」として認められています(著作権法30条1項)。
しかしながら、50人のメンバーに配布することは私的使用に該当しないと解されています(企業や団体において業務上利用するためのコピーは許されないとする判例があります)。
著作権者が専有する複製権の侵害になるとされています。
そうすると、世上よく行われている参考資料としてのコピーの配布は、その都度著作権者の許諾を求めなくてはいけないことになります。
そうなれば、事実上著者も多くの人に読まれることを望んでいると思われる有益な文章が、それら人々に知られないままになってしまいます。
しかし、利用者側に理解のある専門家でも、そのグループのメンバー相互に強い結合関係があり、規模も小さいことを前提に、10人程度に配布する場合は法30条1項の「限られた範囲内」での使用として許される(逆にそれ以上の人への配布は許されない)と解説しています。
やはり、著作権法と専門家のその解釈は学術や文化の発展にブレーキをかける作用をしているように感じます。
悪質な利用とか著作権者の意に反する利用などを除き、著作者を明示して著作物を普及する方向での仕組みが望まれます。
新聞記事の場合も同じです。
(武田)