北信地域の司法の現状
長野県には長野地方・家庭裁判所が置かれています。
長野市にあるのは長野地方・家庭裁判所本庁と呼ばれ,北信地域の事件を管轄します。東信地域に上田,佐久,中信地域に松本,諏訪,南信地域に伊那,飯田と6支部が置かれ,それぞれの地域の事件を取り扱っています。
長野の本庁は,北信地域の事件のほか,全県の行政訴訟,労働審判,簡易裁判所の民事控訴事件も扱っています。
北信地方は長野市などの4市,小布施町などの4町,高山村などの4村からなり,人口は56万8104人を数えます(平成23年6月現在)。
弁護士の数は72人で,女性は9人。須坂市の2人,中野市の1人以外は全部長野市に事務所があります。ちなみに,弁護士1人当りの人口は7890人となり,全国の平均と比べると約2倍となります。(全国の平均は約4200人,長野県の平均は約11800人)
裁判官は地方裁判所と家庭裁判所に合計8名(所長を含む),長野簡易裁判所に2名います。
平成22年度の新しく申立てを受付けた事件は地方裁判所の民事事件で2885件,刑事事件で288件,家庭裁判所で少年事件を含めて3756件です。
全国でも言えることですが,これだけの事件を実質7名の裁判官で処理するのは過重な負担と思われます。裁判を受ける市民のためにも,裁判官,書記官,調査官,事務官の増員が必要です。
検察官は正検事7名,副検事(法曹資格を持っていない検察官)3名がいますが,本来正検事のやるべき事件を代って副検事が担当しているのが実情で,正検事を増やす必要があります。
(文責:武田芳彦)
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