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贈与税が非課税となる財産

 何か価値のあるものをただで受け取った場合(あるいは対価より大きな利益を受けた場合)には、税法上、贈与税が発生します。

 例えば、結婚式のご祝儀で3万円を友人からもらったという場合でも、理屈としては、贈与税は発生することになります。ただし、すべての贈与の場合に贈与税を課すことは妥当でないため、一定の場合には、贈与税が課されないことになっているのです。
 そこで、どのような場合に贈与税が非課税とされているか、主なものを見てみましょう。
 国税庁の該当ページはこちらになります。必ず、最新の情報をご確認ください。

1 法人からの贈与によって取得した財産


  これは、贈与税ではなく所得税が課されるというだけで、課税はされます。
  税金の種類が贈与税ではないという意味ですね。
  なぜかというと、贈与税は相続税の補完税だからです。法人は死亡しないため、相続という概念がありません。したがって、法人の相続税というものがあり得ない以上、その補完税である贈与税も課されないということです。
 贈与税は、「相続税法」の中に規定されているのであって「贈与税法」という法律はないことからもわかりますね。

2 扶養義務者(親子や兄弟)相互間において生活費または教育に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの

  例えば、親が子どもの学費を大学に、支払時期ごとにその都度支払ってやる場合です。
  教育資金については、下記9の一括贈与(その都度ではなくまとまった額を贈与する場合)の1500万円までの非課税という制度がありますが、それとは別のものです。
  細かいことをいえば、親が旅行先でマクドナルドのハンバーガーを子どもに食べさせることも贈与税の対象となりえますが、この規定によって非課税となっているということです。

3 宗教、慈善、学術等の公益事業者が贈与により取得した財産で公益を目的とする事業のように供するもの

4 特定公益信託から交付される金品で一定のもの又は学生若しくは生徒に対する学資の支給を行うことを目的とする特定公益信託から交付される金品

5 条例の規定により地方公共団体が精神または身体に障害のある者に関して実施する共済制度で一定にものに基づいて支給される給付を受ける権利

6 公職選挙法の適用を受ける選挙における公職の候補者が選挙運動に関し取得した金品その他の財産上の利益で、公職選挙法の規定による報告がなされたもの

7 特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権で障害者非課税申告信託書を提出している場合、その信託受益権の価額のうち3000万円(特別障害者の場合には6000万円)までの金額

 3~7は、政策目的により非課税とされているものです。

8 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝い物又は見舞い等で社交上相当な額

  結婚式のお祝いなどはこれにより非課税の扱いとなります。
  社交上相当な額に限りますので、友人にご祝儀名目で100万円を渡した場合、相当な額以上は非課税であることを否認される可能性があります。

9 直系尊属から住宅資金等の資金の贈与を受けた場合の一定額

10 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の一定額

11 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の一定額


 9~11も、政策目的により非課税とされているものです。


※上記の非課税財産とは違う制度ですが、相続時精算課税を選択した場合には、2500万円までは、贈与税は非課税になります。ただし、将来相続が開始した際に、その分について「相続税」が課されることになりますので、無税というわけではありません。

(一由)