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北極圏でシャボン玉は飛ぶのか 2011年3月

今年1月にお暇をいただき、6年ぶりに海外旅行に行きました。向かった先は、カナダの北極圏にあるイエローナイフという町です。旅の最大の目的は、オーロラを見ることです。

 オーロラは、いつでも見えるわけではありません。オーロラ自体が全く出現しない日もありますし、曇りの日はオーロラが出ていても見ることができません。テレビで目にするような綺麗なオーロラが見えるのは、3晩に1回程度です(昼間は空が明るいので見えません)。しかも、綺麗なオーロラが現れても、通常は3分くらいで消えてしまいます。
 そこで、夜暗くなった後、ソワソワしながら家の中で待機しておき、オーロラが出始めたら急いで防寒具を着込み戸外に飛び出すのです。
 5日間滞在した間、2回、綺麗なオーロラが見えました。明るく綺麗なオーロラが出ることをブレイクアップというのですが、ブレイクアップしたオーロラは、カーテンのように波打ちながら動き回り、レース状の襞の中を光が次々に走り抜けました。そして、波打つ形から渦巻状になったり、空一面に広がったりと、刻々と形を変え続けました。オーロラの発光が最も活発な部分は、緑色から黄色、赤など様々に色が変化します。

 さて、表題にある、北極圏でシャボン玉は飛ぶのかという問題ですが、実際に実験してみました。私が行ったイエローナイフという町は、1月は昼間でもマイナス30度程度までしか気温が上がらない場所にあります。
そこでシャボン玉を飛ばすと、普通に飛んで行くのですが、飛んでいるうちにシャボン玉の膜が凍りついてしまいます。そのため、落ちて来ても割れません。手のひらに乗せることもできます。大量に飛ばしたシャボン玉が、テラスの片隅に大量に吹き溜まっていました。


カップラーメンも20分でこんな状態になりました。

(文責:江口)