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建設業特集1 建設業とは?

今回からシリーズものの投稿として、建設業に注目した投稿を行っていきます。

 個々の家から、ビル、道路を始めとしたインフラといった日常生活に関わる建設業ですが、中々専門的な分野であり、業者の方でも理解しづらいことも多いと思います。

 本シリーズではこれらの建設業に関し、法律という視点から解説を行っていきます!

 

1 そもそも建設業とは?

  まず、“建設業”とは何でしょうか?設計をする人でしょうか?それとも実際に組み立てる大工さんを指すのでしょうか?

  これに関して、建設業を規制する建設業法は、「この法律において『建設業』とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完

成を請け負う営業をいう。」(2条2項)と定義しています。

 ふむふむ、名義を問わず建設工事の完成を請け負う営業をいう・・・ね。

   “建設工事”とは何か?という疑問が次に出てしまいますね。

 

2 “建設業”の内容を決める“建設工事”とは?“建築”と違うのか?

  “建設工事”についても、同じ建設業法が定めています。

同法2条1項は、建設工事の定義として、「この法律において『建設工事』とは、土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう。」と記載しています。

 そして、別表第一の上欄に掲げるものとして、①土木一式工事、②建築一式工事、③大工工事、④左官工事、⑤とび・土工・コンクリート工事、

⑥石工事、⑦屋根工事、⑧電気工事、⑨管工事、⑩タイル・れんが・ブロツク工事、⑪鋼構造物工事、⑫鉄筋工事、⑬舗装工事、⑭しゆんせつ工事、

⑮板金工事、⑯ガラス工事、⑰塗装工事、⑱防水工事、⑲内装仕上工事、⑳機械器具設置工事、㉑熱絶縁工事、㉒電気通信工事、㉓造園工事㉔さく井

工事、㉕建具工事、㉖水道施設工事、㉗消防施設工事、㉘清掃施設工事、㉙解体工事があります。

 つまり、土木建築に関する工事で上記①~㉙に該当する工事であれば、一見建物を建てているようには見えない塗装工事なども“建設工事”に該当し、

これらを行う業者も“建設業”を営んでいるといえます。

※“建築”とは?

 上記のとおり、“建設工事”は、②建築一式工事などを含むものであり、“建設”は“建築”より広いものを指します。

 “建築”の定義は、建設業法には無く、建築物の安全のための基準を定める建築基準法に定義されています。

       ・建築:『建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。』(2条13号)

  ・建築物:『土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨こ線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。』(2条1号)

 

  ・・・簡単に言えば、屋根と柱や壁が存在する建物を新築・増築・改築・移転することを“建築”といいます。

 

3 “建築”の説明が長くなりましたが、要するに建物を建てたり、施設を作るなどに関わる工事の業者のほとんどは、“建設業”を営んでいるといえます。

 “建設業”を営んでいるとどうなるのか?“建設業者”とは?に関しては、次回以降順次解説していきます。

 

  長野第一法律事務所では、建設業に関する契約やコンプライアンス、許認可について、相談を受け付けています。

  これから建設業を営もうとする方、既に営んでいて助言が必要な方、トラブル・紛争にお困りの方、ブログの更新を待っていられないよという方は、専門知識豊富な所属弁護士が相談に対応しますので、是非長野第一法律事務所にご相談ください。(和手)

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