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定款とは

会社に関する疑問~定款って何だろう?~

 

 前回は、コロナ禍の特別記事としてゼロゼロ融資を説明しましたが、今回は、基本に戻って、会社に関する疑問について説明を行いたいと思います。

 その中で、会社を設立される皆様にとっては大変重要な「定款」に関して説明していきます。

 

1 定款とは?

  そもそも「定款」って何と読むのでしょうか?

  これは、「テイカン」と読みます。定款とは、会社の組織・運営に関する基本事項を定めた規範です。あくまでも会社自体に関するルールを定めたもの

なので、従業員に対する規律などは、通常入っていません。

  会社の根本ルールを定めるものなので、会社を設立する際には作成しなければなりません。

 

2 定款に記載する事項

  定款を作成する必要は理解した・・・何を書けば良いか?という疑問があるかと思います。

      ここでは、定款で記載する事項を大きく3つに分けて説明します。

(1)①絶対的記載事項

   まず、1つ目は、絶対的記載事項です。これは、記載しなければ定款自体が無効になる事項です。会社設立時には忘れずに記載しましょう。

 株式会社の絶対的記載事項には、以下のものがあります。

  ・会社の目的(例「○○の経営」、「○○事業」といったものです。)

  ・会社の商号(社名のことです。株式会社なら必ず「株式会社」と入れる必要があります。また、他の会社と誤認されるものは使えません。)

  ・本店の所在地

  ・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

   (出資財産の額に原則制限はありませんが、金融機関等から融資を受けるときに見られることになります。)

  ・発起人の氏名または名称(会社を設立する人の氏名や法人の名称)および住所

 ・株式会社が発行することができる株式の総数

(2)②相対的記載事項

   次に2つ目として、相対的記載事項が存在します。

  これは、定款で定めなくてもよいものですが、定款に記載しないと効力が生じないものです。また、

会社を設立する際に、手続上重要な相対的記載事項を「変態設立事項」といいます。

☆「変態」はドイツ語の訳で、「特殊」という意味です・・・。

 

 会社法上相対的記載事項は多く存在しますので、以下代表的なものを例示します。

  ・会社設立時の現物出資(お金以外の財産で出資すること)の定め

  ・株式の譲渡制限の定め(株式を売却するのに会社の承認を必要とする定め)

  ・株券発行の定め  などがあります。

(3)③任意的記載事項

   最後に3つ目として、任意的記載事項が存在します。任意的記載事項は、定款に記載してもしなくてもよく、別に定めても有効なものを指します。

  上記絶対的記載事項と相対的記載事項以外のものなので、非常に膨大に 存在しますが、代表的なものとしては、以下のような事項があります。

 ・設立時の役員の定め

 ・株主総会の招集時期

 ・事業年度の定め  などがあります。

  任意的記載事項を定款で定める意義としては、定款変更に後述するとおり、株主総会の特別決議が必要なので、その時々の経営者の一存で変更され

にくくするというものがあります。

 

3 定款の開示

  定款を作った!どこに置けばいいのだろう・・・?という疑問もあるかもしれません。

 こちらについても、会社法に定めがあり、定款は本店及び支店に備え置かなければなりません。ただし、定款をデータで作っており、かつ支店でも閲覧や

謄写が出来る場合は、本店に備えるだけでも問題ありません。

 

4 定款の変更

  一度作ったけど内容を変えたい・・・。そのようなときは、定款変更の手続をとる必要があります。

 定款変更は、会社の重要なルールを変更するものですので、原則株主総会の特別決議が必要です。

☆ 特別決議・・・議決権を行使できる株主の過半数が出席した株主総会において、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成を必要とす

る決議を指します。なお、これらの要件は定款で加重できます。

  そして、更に重要な譲渡制限の設定や株主の平等に反する定めを置く場合には、より加重された要件による決議が必要となります。

 

5 昔に作成したきりで現状にそぐわない定めがある場合も存在します。一度現在の定款に関して確認してみること

をおすすめします。

 

長野第一法律事務所では、会社の設立や設立後の手続について、相談を受け付けています。

起業を考えている方、個人事業主から法人への法人成りを考えている方、コンプライアンスを重視した経営をご希望の方は、専門知識豊富な所属弁護士が相談に対応しますので、是非長野第一法律事務所にご相談ください。

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