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不祥事に対する社内調査

今回は、最近話題の「不祥事に対する社内調査」について説明します。

 不祥事自体は、あってはならないものですが、調査や検証を怠れば、かえって将来、企業に深刻なリスクが生じるおそれがあります。

 本記事では、このような被害拡大防止のために、企業が行うべき調査の要点に触れてきたいと思います。

 本記事で、社内調査とはどのようなものか、どのような点に注意すべきか、把握していきましょう!

 

1 社内調査の構成

  社内調査には、不祥事の概要を迅速に把握するために行う初動調査と、不祥事の全容解明のために行う本格調査があります。

 初動調査は、被害拡大防止のための緊急措置や、本格調査を実施するか否かを判断するために行われるものであり、何より迅速性が求められます。

 これに対し、本格調査は、抜本的な解決や再発防止策を立てるための調査になるので、正確性が重視されることになります。

 

2 初動調査で行う事項

  初動調査では、上記のとおり迅速性が求められるので、不正の存否や以下の概要を大まかに把握する調査を行います。

 ・不正行為の有無、内容

 ・不正行為の発生場所、行為者

 ・影響範囲(商品・サービス・取引の範囲)

 ・何をすれば不正行為を止められるか

 ・他に不正行為があるか否か(わかる範囲で)

 具体的には、申告者からのヒアリング、客観的に異常な数値が存在するかなどの点から概要把握に努めます。

 この初動調査で不正行為が確認できた場合は、上記報告を受けた経営陣は、速やかに緊急措置を講じる必要があります。

 具体的には・・・

・不正行為者の自宅待機

・不正行為の停止

・不正な行為の対象となっていると思われる商品の出荷停止 

などが緊急の措置として考えられます。

3 本格調査で行う事項

  本格調査では、不祥事の抜本的な解決を目指すために、初動調査より深く広い範囲での調査を行う必要があります。

 具体的には、

・不正の全体像

・不正の経緯・動機

・不正を許した環境

・不正に対する上司の認識

・同種不正の存否

などを調査することになります。

 このような調査の結果、不正の全容が解明できれば、その報告を受けた経営陣が抜本的な対策を打ち出せるようになります。

 

4 調査時の注意事項

  調査の際の注意事項としては、以下の点が考えられます。

 ① 調査の範囲を限定しすぎない

   迅速性が求められる初動調査は別ですが、本格調査では当該申告又は発見された不祥事に限定しすぎないようにする必要があります。

 問題を早く終息させたいという企業の考えから対象を限定すると、再発リスクやそれに伴う企業の不作為責任(やるべきことを怠ったことによる責任)が問われるおそれがあり、かえって手間や企業の損失につながることになります。

 ② 最適な調査体制を組む

   通常調査は、複数名でチームを組んで行うことになります。この際注意すべきことは、調査チームに独立性と専門性を確保することです。

 調査チームに独立性が無ければ、調査が不公正となるリスクや、不公正との疑いを持たれ、再調査を別メンバーで行わなければならなくなる危険性が生じます。

 また、調査には、調査事項に対する知識や調査手法に関する知見が必要になります。全てのメンバーが同水準の知識などを有する必要はありませんが、チーム全体として必要となるので、場合によっては外部専門家の活用も手段となります。

 ③ 調査計画の立案

   調査を行う際に思いついた端から五月雨式に行うと、漏れや抜け、証拠破壊の可能性も生じます。

 このため、調査の初期段階に何を調査すべきか、どの手順で調査すべきか、いつまでにどのような調査を行うかの計画を立て、チームで共有する必要があります。

 ④ ヒアリングの際の注意

   ヒアリングの際、聞き方によっては、ヒアリング相手を傷つけることや公正性を害するとして、ヒアリング結果の証拠としての価値を下げてしまうおそれがあります。

 ヒアリングの際は、A秘密の厳守、Bあくまでも真相究明が目的であり、調査者は偏った立場を採らない、Cヒアリング対象者がハラスメント等の被害者の場合、その心情に配慮したヒアリングを行う、等と言った点に配慮する必要があります。

また、共犯者がいる場合や不正行為を行った者の影響力が強い場合は、ヒアリング内容の漏洩等のおそれもあるので、最後に聴取する、同時に聴取して口裏合わせを行わせないなどの配慮も必要になります。

 ⑤ 外部専門家の活用

   上述しましたが、調査には専門的な知見を要することがあります。また、誤った調査による証拠の消滅や調査結果への疑念を防止する必要がありま

す。このため、コンピュータであれば専門業者への委託、法的問題については弁護士への委託などを検討することが望ましいです。

 

5 今回の記事は以上になります。社内調査に関しては、まだまだ説明しきれていないこともありますので、また記事の投稿を考えています。

 

 長野第一法律事務所では、社内調査についてもご相談を受けております。

 社内調査体制の構築、調査メンバーとしての弁護士への委任、いわゆる第三者委員会について相談したいという企業の方は、ご相談に対応しますので、是非長野第一法律事務所にご相談ください。(和手)

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