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建設業特集13 下請負契約④~下請業者の義務とガイドライン~

今回も、前回に引き続き、下請契約について、説明していきます。

今回は、「下請業者の義務」と「ガイドライン」の紹介になるので、今回はまとめて説明していきます!

※ 以下、「建設業法」は、「法」、「建設業法施行規則」は、「規則」といいます。

 

1 下請業者の義務

  下請業者も請負業者なので、注文者から受注した元請業者同様、見積書の作成交付、前金払の際の保証、現場代理人の選任などの通知を行う義務があります。

 これらの義務は、下請業者から請け負う孫請業者にも当然適用されます。

 下請契約の場合の下請業者固有の義務は無いので、説明は以上になります。

 

2 ガイドラインについて

(1)ガイドラインとは?

   これまでの記事にも記載したとおり、法は、元請業者と下請業者とが対等になるため様々な規制を行っています。しかし、法や規則は様々な場合に対応できるよう抽象的に記載されており、具体的な場合に適用できるか判断しづらいといった問題があります。

 そこで、国土交通省(及びその前身の建設省)が元請業者と下請業者との対等な関係の構築、取引の公正さを確保するために作成した指針があり、この指針をガイドラインといいます。ガイドラインは様々なものがあります

が、今回は、後記3点の問題について、参考となるガイドラインに触れて説明します。

【今回参照のガイドライン】

  ・「建設業法令遵守ガイドライン」(以下「法令遵守ガイドライン」といいます。)

   ⇒建設業法の解釈適用に関するガイドラインです。

  ・「建設産業における生産システム合理化指針について」(以下「合理化指針」といいます。)

   ⇒適正な価格、適正な支払方法に関しての指針を示しています。

  ・「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」(以下「下請指導ガイドライン」といいます。)

   ⇒社会保険の加入について元請業者と下請業者の役割と責任を示した指針です。

(2)実際の問題におけるガイドラインの活用

 ア 契約内容について

   「そもそもどのような内容の契約であれば対等な契約といえるのかわからない!」という方のために法令遵守ガイドラインは、中央建設業審議会作成の建設工事標準下請契約約款及びこれに準じる契約書の作成を勧めています。

 同約款は、ココから見ることができるので、是非参考にしてください。

 イ 請負価格について

   「適正な請負価格について、どのように決めれば良いかわからない!」という方のために、合理化指針は、適正価格での契約締結のポイントとして、以下の点を示しています。

  ・請負価格は契約内容達成の対価であるとの認識の下に、施工責任範囲、工事の難易度、施工条件等を反映した合理的なものとすること

  ・消費税相当分を計上すること

  ・請負価格の決定は、見積及び協議を行う等の適正な手順によること

  などを示しています。

   また、下請指導ガイドラインでは、法定福利費(社会保険料)を請負代金内に適正に反映させることを求めています。

 これらに加え、法令遵守ガイドラインでも不当な請負代金の決定に関する記載があるので、適正な請負価格か不明な場合は、これらのガイドラインを参考にして両当事者協議の上、定めましょう。

 ウ 支払時期・方法の適正化について

   支払時期や方法が適正であるかについても合理化指針に記載があります。

   具体的には、法を遵守した上で、

  ・請求書提出日から支払日までの期間をできるだけ短くすること

  ・できる限り現金払いとすること

  ・手形期間は120日以内とすること

  といったことを守れるよう務めることが示されています。

3 元請業者と下請業者でトラブルが生じた場合は?

  これまでの事項を把握し、自社が法やガイドラインを守っていても、下請契約上のトラブルが生じることがあります。

 この場合、通常の交渉・裁判だけでなく、発注者とのトラブル同様、建設工事紛争審査会におけるあっせん等も可能なので、是非活用していきましょう。

4 今回で、下請契約に関する説明は一旦終了となります。

  次回は、契約から進んで施工段階の話の説明を行いたいと思います。

  長野第一法律事務所では、下請契約について、ご相談を受け付けています。

   元請業者・下請業者のいずれであっても、契約に不安のある方は、所属弁護士が相談に対応しますので、是非長野第一法律事務所にご相談ください。(和手)

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