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建設業特集12 下請負契約③~元請負業者の義務2~

今回も、前回に引き続き、元請負業者(以下「元請」といいます。)の義務について、説明していきます。

元請には、前回説明した注文者と同種の義務だけでなく、多くの義務がありますので、怠らないよう注意して事業を営んでいきましょう!

※ 以下、「建設業法」は、「法」、「建設業法施行規則」は、「規則」といいます。

 

1 完成検査、引渡の義務

  法24条の4により、元請は、下請業者から工事が完成した旨の通知を受けたときは、通知を受けた日から20日以内で、かつできるだけ短い期間内に完成を確認する検査を行う必要があります。

 また、完成確認後に、下請業者が申し出たときは、直ちに目的物の引渡を受けなければなりません(特約で契約上の工事完成日より20日を経過する日より前の日を引渡日としている場合は、その日に引渡を受ければ足ります。)

2 不公正な取引方法を行わない義務

  元請は、下請業者に以下の行為をすることが禁止されています。

 ・有償で資材を支給した場合に、下請代金の決済前に資材の購入代金を決済すること

 ・下請業者の公的機関への告発に対して報復措置をとること

  以上は例示であり、その他にも不公正な取引に該当する場合はあるので、下 請業者との関係では、優越している元請の地位を利用して不当な請求を行わないよう、注意しましょう。

3 下請業者の意見聴取の義務

  法24条の2により、元請は、建設工事を施工するために必要な工程の細目や作業方法を定める場合には、あらかじめ下請業者の意見を聞かなければなりません。

 元請と下請業者の緊密な連携と協調が、適正な工事を実現する上で不可欠であり、また、無理な施工計画を事前に防止することで、下請保護も図れるからです。

4 下請代金支払期日の特則(特定建設業者)

  前回の記事でも下請代金支払期日について記載しましたが、特定建設業者の場合、より強い規制があり、下請代金の支払期日は、目的物の引渡申出日から50日以内のできるだけ早い日に定める必要があります。

 特約を定めても引渡日より50日を超える場合は、50日目が引渡日になるので、注意が必要です。

 さらに、これらの支払は、元請が注文者から代金を得られたか否かにかかわらず発生しますので注意が必要です。

 そして、支払が遅延した場合は、年14.6%の利息が生じるので注意が必要です。

 なお、上記各規制は、下請業者が特定建設業者の場合は適用されません。

5 下請代金支払方法の特則(特定建設業者)

  特定建設業者は、一般の金融機関で割引困難な手形により下請代金の支払いを行うことが禁止されています。

  これも特定建設業者が下請業者の場合には適用されません。

6 下請業者の労賃不払いを立て替える義務(特定建設業者)

  特定建設業者が発注者からの元請の場合に、下請業者が労働者に対する賃金の支払いを怠った場合や、下請業者が他人に損害を生じさせた場合で国土交通大臣または都道府県知事が必要であると認めた場合は、元請に立替払いを行うよう勧告することができます(法41条2項3項)。

  なお、直接発注者から請け負っていない場合は、特定建設業者であってもこの義務を負いません。

7 元請には、前回同様多様な義務があるほか、特定建設業者であれば、より強い規制を受け、担うべき義務も大きなものが課されます。

   

長野第一法律事務所では、下請契約について、ご相談を受け付けています。

元請業者・下請業者のいずれであっても、契約に不安のある方は、所属弁護士が相談に対応しますので、是非長野第一法律事務所にご相談ください。(和手)

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