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M&Aの仲介会社にご注意ください

TBSテレビのニュースです(ニュースはリンク先をご覧ください。)。

以下、一部引用。

「中小企業の
M&Aをめぐりトラブルが相次いでいる問題で、政府が仲介会社15社に対し、対策を実施しなければ支援機関の登録を更新しないと発表しました。 この問題は、投資会社「ルシアンホールディングス」が茨城県の納豆業者など30社以上にM&Aを行ったものの、経営をほとんど行わず、資金を抜き取って姿を消すなどトラブルを起こしているものです。 中小企業庁は「ルシアン社」を紹介した仲介会社のうち、国が定めた「支援機関」に登録している15の仲介会社に注意をしました。」(引用終わり)


 中小企業にとって事業承継が重要な課題となり、政府が様々な支援策を打ち出す中で、M&A(企業の売却、買取)が盛んになっています。
 適切な後継者が見当たらない企業が、第三者に事業承継をするにあたり、M&Aを活用すること自体は問題ないことですが、近時、事業承継などする気もないのにその企業のキャッシュ(現金)などの保有資産を根こそぎ収奪するような目的での悪質なM&Aがいくつも発生しています。
 そして、M&Aの仲介会社も、買手側の事業承継、事業継続意思の確認が極めて不十分なまま、仲介手数料(フィー)を獲得するために、粗雑なM&Aの仲介を実施しているケースが目立ってきています。そして、そのような悪質なM&A事案は、大手と言われる仲介会社の事例でも実際に発生しています。
 上記報道のように、国に登録した認定支援機関でも安心とはいえません。
 仲介会社には悪意まではないケースでも、買い手側の言い分をそのまま鵜呑みにして、収奪目的の不当なM&Aを仲介してしまい、結果的に悪質なM&Aであったことが判明しても、仲介会社はなんの責任もとってくれません。深刻な事案では、株式譲渡後に、旧代表者(売手)の連帯保証を解除するはずの約束が、買手の怠慢等で解除できないというリスクもあります。

 その場合には自分自身で経営をハンドリングできないのに連帯保証債務だけは負ってしまうという暴走車に乗せられるような羽目になってしまいます。

 企業(つまり株式)は、単なる財産ではなく、そこで働く人々や、取引先といった様々な関係者が関わる有機的な存在です。
 無責任なM&A仲介会社に乗せられて安易に株式を手放し、残された関係者に多大な迷惑をかけるといった事態にならないよう、安易なM&Aは行わないようにご注意ください。

 
 当事務所では、そのようなM&Aのご相談にも乗っていますので、長野第一法律事務所にご相談ください。事後的に問題が起きてからでは対処が難しい場合が多いため、事前のご相談をおすすめします。

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