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ロマンス詐欺
ロマンス詐欺の被害が多発しています。
ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリなどで交流を持つようになった至った外国人(または、外国人を装った者)と親しく連絡を取り合ううちに、様々な名目で金銭を送るように求められるものです。被害者の親切心や恋愛感情を悪用するものであり、卑劣な犯罪です。
一方で、ロマンス詐欺の被害回復を謳う広告を行っている事業者も多数見られますが、二次被害と言わざるを得ないケースも見られるようになってきています。
1 ロマンス詐欺被害の特徴
ロマンス詐欺の被害は、SNS(LINE、TikTok、インスタグラムなどさまざま)やマッチングアプリで知り合った外国人(または、これを装った者)との間でやり取りを続けているうちに、次のような話が持ち掛けられて発生することが多くあります。
①将来の交際や結婚を約束された上で、荷物を送るので受け取ってほしいと言われる。承諾すると、輸送手数料や通関手数料などとして繰り返し金銭を求められた。
②外国人から「Baby」「私の妻」などと呼ばれるようになり、「二人の将来のため、投資をしないか」と勧誘された。相手が紹介してきたサイトを通じて投資をしたところ、利益が出たと言われた。その利益を現金化しようとしたら、保証料が必要と言われ、金銭を要求された。
③デートをするために日本に行きたいが、渡航に当たって様々な費用が必要になると言われた。それを承諾すると、相手の勤務先や国連を名乗るところから連絡があり、手数料として金銭を要求された。
2 ロマンス詐欺被害の回復
ロマンス詐欺を始めとした詐欺被害では、犯人を特定できるか、被害金はどこにあるか、がポイントとなります。
ロマンス詐欺の金銭の支払方法として、口座振込み、電子マネー、仮想通貨などが用いられることが多くあるため、これらのポイントに即して、それぞれの被害回復の方法の概要を説明します。
・口座振込の場合
振込先の口座を凍結し、口座内に金銭が残っていれば、そこから被害回復を図ることができます。しかし、犯人は、入金された金銭を直ぐに口座から引き出してしまうことがほとんどであり、口座内には少額しか残っていないケースがよく見られます。そうなると、被害金がどこにあるかが分からないため、被害回復は難しいです。
また、ロマンス詐欺に利用される口座は、犯人本人の口座ではないことがほとんどですので、口座の情報から犯人を特定することも困難です。なお、口座名義人への損害賠償請求も考えられますが、口座を他人に使用させる者は金銭的に困窮している場合が多く、被害回復を図ることは困難なケースが多いです。
・電子マネーの場合
購入した電子マネーを特定できる状態(購入時のレシートが残っているなど)であれば、支払った電子マネーを誰が受け取ったかなどの流れを調査することはできます。また、電子マネーの流れに関与した業者の協力を得られることもあります。
しかし、外国へ送金されている場合や、受取人が特定不明の者になっている場合などは、犯人が特定できず、かつ、被害金がどこにあるかも分からないため、被害回復が困難なことがほとんどです。
・仮想通貨
仮想通貨の送金先や送金方法が特定できれば、支払った仮想通貨の流れを調査することはできます。
しかし、電子マネーと同様、外国に送金されている場合や受取人が特定不明の者になっている場合などは、犯人が特定できず、かつ、被害金がどこにあるかも分からないため、被害回復が困難なことがほとんどです。
以上のように、ロマンス詐欺の被害回復は簡単ではありません。なお、SNSやアプリ・サイトの事業者も犯人の情報を保有していないことがほとんどであるため、アカウント情報のみから犯人を特定することも困難です。
3 ロマンス詐欺の被害回復を謳う業者
以上でご説明したように、ロマンス詐欺の被害回復は極めて難しいと言わざるを得ません。これは、弁護士であっても同じであり、被害を全く回復できないか、ごく少額の回収にとどまることが多いと言わざるを得ません。
しかし、なかには、高額を取り戻せるなどと広告した上、多額の費用を受け取っている事業者があります。
残念ながら、弁護士であっても、そのような広告をして多額(百万円単位)の着手金を請求していることがあります。
仮に、依頼しようとしている業者(弁護士)に次のような事情がみられる場合は、依頼するか否かを慎重に検討してください。
・広告で高額を取り戻せるということばかりが打ち出され、被害が回復できない可能性等についての詳しい説明がない。
・電話をしても事務員としか話ができず、弁護士本人とは話せない。
・弁護士との面談ができない。
・被害回復に向けた具体的な手続きや被害回復の可能性について詳しい説明をしないまま、多額の手数料や着手金を要求する。
4 ロマンス詐欺で多額の借金ができてしまった場合
ロマンス詐欺では、消費者金融などからお金を借りて送金するというケースもあります。しかし、これまでにご説明したように、ロマンス詐欺の被害回復は困難なことが多く、借金だけが残ってしまう、ということもあり得ます。仮にこのような状態になってしまっても、借金を法的に整理することで、支払いを軽減したり、支払わなくてよくなったりすることがあります。
ロマンス詐欺の被害に遭い、借金だけ残ってしまったという場合は精神的に追い詰められてしまうこともあるかと思います。しかし、被害回復は困難であっても、借金を整理できる可能性はあります。まずは弁護士に相談してください。
ロマンス詐欺の被害に遭ってしまったかも、と思ったときでも、慌てて業者に依頼せず、まずはお近くの弁護士に相談してみてください。
長野第一法律事務所では、インターネット被害の回復に取り組む弁護士が複数揃っており、弁護士が事情を丁寧にお聞きした上で、被害回復の可能性や対処方法について、ご助言いたします。また、回復の見込みが乏しい場合にはその旨をご説明します。
お困りの際はぜひご相談ください。