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本の読み聞かせは著作権の侵害?

Q PTA主催の親子読書会で、絵本の読み聞かせのイベントを企画しています。
  絵本は、保護者が自分で購入したものを使います。

  この場合、著作権の侵害にならないように注意しないといけないと指摘されました。

  絵本を自宅で子どもに読み聞かせるのとなにが違うのでしょうか?

  著作権侵害とならないためには、どのようにすれば良いでしょうか?

  PTA主催のイベントではなく、お菓子店の販促イベントの一環として、絵本の読み聞かせイベントをする場合はどうでしょうか?


A この場合、著作権のうちの「口述権」の侵害が問題となります。

  口述権は、朗読その他の方法によって、広く人々に向けて著作物を口頭で伝達する独占的な権利を指します。

  したがって、自宅で絵本を自分の子どもに読み聞かせる場合には、広く人々に向けて伝達するわけではありませんので、口述権は問題となりませんが、イベントの形で行う場合には、口述権の侵害が問題となってきます。


  原則としては、著作権者の許諾が必要になりますが、例外的に、営利目的ではなく、聴衆から料金を受け取らず、口述者に報酬を支払わない場合には、許諾は不要となります(著作権法38条)。


  「営利目的」は、参加費が有料の場合に限りません。例えば、書店が広告宣伝目的で無料の朗読会を開催した場合には、「営利目的」とされる場合があります。質問のお菓子店の場合でも、販促イベントの一環ということになれば営利目的とされる可能性がありますので、慎重な検討が必要です。


  「口述者への報酬」についても、名目を問わず、実質的に報酬に該当する場合には、上記の例外にはあたらないことになります。

 たまに、「公的な活動に用いるのであれば著作権違反は問題とならない」という誤解をしている方もいますが、そうではありませんので注意が必要です。


  著作権は、わたしたちの日常生活においてもよく問題となる権利です。

  著作権侵害とならないように留意する必要がありますので、事前にご相談ください。

(一由)

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