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フリーランス新法施行直前~取引上求められる実務対応~

 今回も、連続投稿とは別に、今年(令和6年)11月1日施行のフリーランス新法について、取引上求められる実務対応に絞って説明いたします(他にハラスメント対策も必要になります。)。

新法施行まで、あと約1ヵ月、法務・総務等の担当者は必見です!

 なお、フリーランス新法自体の解説は、以前投稿したフリーランス新法の説明にありますので、そちらも併せて確認ください!

 1 まずは、フリーランス新法の適用があるか・・・

  法務・総務担当者は忙しいと思うので、前説抜きで始めましょう。

  以下のチェックリストに自社を照らし合わせて、フリーランス新法適用の要否に関して判断しましょう。 

チェックリスト

項目

内容

☑欄

業務委託

か否か

委託内容が、事業のために他の事業者に物品の製造、情報成果物の作成または役務の提供を委託するものである。

 

委託相手

相手方が従業員のいない個人または、代表者以外の役員・従業員のいない法人である。

※従業員は以下全てに該当する者を指す

・1週間の労働時間が20時間以上

・継続して31日以上雇用されることが見込まれる

・同居親族でない

※役員は以下の者を指す

・理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準じる者

 

以上の2点にいずれも該当するようなら、フリーランス新法の適用があるので、準備が必要です。

また、相手方事業者が該当するか否か不明な場合は、契約する相手に従業員数を確認しましょう。

なお、新規契約だけで無く、更新時にも適用されるので、従前の相手方であっても、確認や対応は必要です。

 

2 フリーランス新法でやらなければならないこと

  次に、以下の項目で準備ができているか、確認しましょう。 

① フリーランス新法適用の委託事業者全員がやらなければならないこと

項目

内容

☑欄

書面・電磁的方法

契約当事者の商号・氏名・名称を書面又は電磁的方法(メール等)(以下併せて「書面等」といいます。)に記載し、通知する。

※他の事業者と識別できるもの

 

書面等

業務委託をした日を書面等に記載する。

 

書面等

給付内容(委託して提供される物・サービスの内容)を書面等に記載する。

 

書面等

受領の日又は期限を書面等に記載する。

 

書面等

受領の場所を書面等に記載する。

 

書面等

検査をする場合は、検査完了日を書面等に記載する。

 

書面等

報酬の額(明示困難な場合は、算定方法)及び支払期日を書面等に記載する。

 

書面等

手形払い、債権譲渡担保、ファクタリング、併存的債務引受、電子記録債権、デジタル払いで支払う場合は、必要な事項を書面等に記載する。

 

 

 

② 委託する事業者が従業員を用いている場合(特定業務委託事業者)にや

らなければならないこと

項目

内容

☑欄

支払時期

支払日を定めていない場合、給付を受領した(サービスの提供を受けた)日に報酬を支払うこと。

 

支払時期

支払日が給付を受領した(サービスの提供を受けた)日から60日以内の場合、定められた支払日に支払うこと。

 

支払時期

支払日が給付を受領した(サービスの提供を受けた)日60日を超す場合であっても60日以内に支払うこと。

 

支払時期

再委託の場合は、元委託支払時期から30日以内に支払うこと

 

 

  ③ 1ヵ月以上の業務を特定業務委託事業者が委託する場合に防止すべきこ  

  と・確認すべきこと

項目

内容

☑欄

禁止事項

(相手方の責めに帰すべき事由がないのに※以下同じ)

相手方からの給付を拒むこと

 

禁止事項

報酬の額を減額すること

 

禁止事項

給付受領後に引き取らせること

 

禁止事項

 

通常支払われる対価に比し著しく低い報酬額を不当に定めること

 

禁止事項

必要がある場合等の正当な理由がある場合を除き、自己の指定する物の購入やサービス利用を強制させること

 

禁止事項

自己のために、金銭やサービス等の経済上の利益を提供させること

 

禁止事項

給付の内容の変更ややり直しをさせること

 

 

 

3 具体的な方法

  上記のチェックリストで必要な事項を確認したら、実践していきましょう。

 なお、以下のような方法にすることが簡便だと考えられます。

① 委託する相手に従業員がいるかメール等で確認・商業登記等の確認を行

う。

 ② 契約をする場合は、相手方に従業員等の変更がある場合に通知する条項

を設けるか、常に適用されると思って考える。

 ③ 書面等記載事項を網羅したひな形を作成し、メール等で通知する。

 ④ 支払は60日内に行えるシステムを構築する。

 ⑤ 禁止事項に関して法務担当者や弁護士と相談し、事前に委託が問題無いか、確認する。

  以上の方法が考えられます。

 

長野第一法律事務所では、新法に対応した書式・要項の作成、禁止事項に関する助言等に関して対応しています。

フリーランス新法対応に関してお悩みの方は、是非長野第一法律事務所にご相談ください。

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