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小笠原諸島へ… 2014年9月

 昨年,小笠原諸島へ行く機会がありました。
 小笠原諸島父島には民間の飛行場がないので,東京港竹芝から約1,000キロを25時間30分で運行するフェリー「おがさわら丸」(略称おがまる)に乗って行きます。


 このフェリーがとても長いのです。初めのうちは,甲板にでて東京湾から見える風景を見ていましたが,見渡す限り海という風景になると飽きてきます。といっても個室などとても高く取っていないので,他に居場所もなくとにかく暇でした。

 小笠原諸島は,ご存じのとおり2011年に世界自然遺産に登録されました。島々は火山活動でできましたが,できてからずっと大陸とつながったことがないため,島の固有種がとても多いのだそうです。父島からフェリーで2時間10分のところにある母島にも父島とは異なる独自の固有種がいます。山や森へ行って,鳥や植物の固有種を探すのもとても楽しかったです。
 でも,やはりなんといっても海です。一般に南の海の色といえば,エメラルドグリーンを思い浮かべると思いますが,小笠原の海はボニンブルーといわれる紺青です。ボニンとは,小笠原諸島(群島)のことで,かつて小笠原諸島を無人島(ブニンジマ)と呼んでいたそうですが,島を開拓した欧米人はボニンと呼んでいたことに由来するものだそうです。

イルカと泳いだことはありますか。
イルカと泳ぐと癒されると聞いたことがあり,大げさだなあ,そんなこと嘘に決まっている,と思っていました。
 でも,小笠原では野生のイルカと泳ぐことができると聞き,ものは試しとドルフィンスイムツアーに参加しました。船に乗り,イルカを見つけたら海に入ります。群れをなしているハシナガイルカ(クチバシが長いイルカです)に出会うことができました。こちらがゆっくり静かに泳いでいると寄ってきて,一緒に泳いでくれました。ハシナガイルカはスピンがうまく,何度も私のそばでスピンをしてくれました。言葉では表現できない音を発していました。今思い出しても,自然に顔がゆるみ,眉間のしわが消え,ゆったりした気分になります。
 また,イルカと泳ぎたいです。

(文責:匂坂)